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「光陰矢の如し」の言葉が死語に感じられる程、時が早く過ぎています。皆様のご支援とご協力により、今年(2007年)9月で満16年を迎えさせて頂きます。
何より、世間知らずで、やる事なす事、厚顔無恥、皆様にはご迷惑のかけ通しで、省みますと恥じ入る事ばかりでございます。
皆様の暖かい気持ちに、この場をお借り致しまして、ただただ衷心より感謝致し、くお礼申し上げます。
さて、今回、皆様へのご挨拶にこの話を入れるべきかどうか悩みましたが、やはり一社会人として、また企業を営む者の一人として、社の運営管理面に対し戒めの意味も含め、他人事ではなく、自分の事として取り組むべきだと判断し、あえて入れさせて頂きます。
それは、先日発生致しましたJR福知山線の脱線事故の事であります、TVで現場中継を最初にみた時、マンションに叩きつけられ破壊された車両からして、これは多数の犠牲者が出るぞ・・と直感しました、国あげての緊急救助体制を敷く必要があるとも思いました。結果は予想以上で、全乗車数約580名の内、死者107名(死亡率18%)重軽傷者460名(負傷率は79%)にて、多くの尊い命が奪われ、また身体の傷だけではなく心的傷害(PTSD)をも多くの方々に残す、近年にない、人的ミスと思われる大惨事となりました。
正確な原因等々は正式な調査結果を待たねばなりませんが、現在までの報道から、事実関係にのみ基づいて推定しますと、直接原因はスピードの出し過ぎによる脱線、運転士の過失とのことであります、事故に至った運転状況より、会社の企業体質を推定してみますと、処罰で脅す定刻厳守主義、私鉄に対抗する過密ダイヤ強行等、行き着くところが営利最優先主義となっていたのではと推定されます、それに付随して次から次に出てくる事故発生時からの常識外れの社員行動、超一流の大手だから、同じ企業仲間と考える訳にはいかないと思いますが、何とかフォローしようとしても手だてが見つかりません。しかし、超大手の一流といわれる会社だからこその、安全に対する意識の甘さ、奢り、セクショナリズムがあったように感じられます。そして、厳に戒めなければならないのは、弊社を含め、程度の差こそあれ今の日本の企業であれば、同じような管理がなされているのではないかという点です。
次に事故環境を同様に考えてみますと、(1)アルミ合金製の車体でも設計上の強度はあったと思えますが、設計の条件に側面よりの過大な衝撃等、予想外の外乱的な要素ではなかったのかと推測されます、軽量化スピードアップには確かになったと思いますが、ある意味、強度低下という安全を犠牲にしたものになっていたのでは、(2)電車が脱線しても外に飛び出さなければこれ程の犠牲者は出なかったと思われます、自動速度制御装置、防護壁設置等当該場所は危険箇所と認知されていたにもかかわらず、対策は施されていなかったようであります。
以上のように今回の事故発生要因の中に、企業の利益最優先主義からくる危機意識、安全意識の喪失、鉄道事業という安全最優先であるべき企業が道を誤った結果の犠牲事故と言われても仕方がないのかも知れません。そしてこれは、この会社に限らず、大企業、中小企業を問わず、現在の日本、特にバブル崩壊後の生き残りをかけた企業が陥っている実態ではないかと思います。もちろん弊社も例外ではなく、この事故にて、営利と安全、社員に対する管理のあり方等学ぶ点は多く、これらを真摯に受け止め、今一度基本に返り、早速実践に取りかかっている現状であります。
6年前の1月に、前回の会社案内のご挨拶をさせて頂きました。 その中に「これから、次世代の人達に高度化された技術や情報のみを継承するのではなく、人として生きる上で最も大切な『慈悲のこころ』を継承していかねばならない。」とありました、時代の早すぎる流れ、激しい変化の世の中にあって、たった6年で最も大切な理念を忘れてしまうところでした、今一度原点に返り、企業の存在意義を考え、人としてまた、人の集まりとして、先の理念を忘れず、企業を営んで参りたいと覚悟いたします。
会社も16年目を迎える訳でありますが、社業の基本方針として「風通しの良い社風を創る」、その為に「愛をかたちに、思いを動きに、・・いつでも・・どこでも・・ひとりでも」をキャッチフレーズに平凡ではありますが、人として基本である
(1)気持ちの良い挨拶の励行 (2)掃除の徹底 を継続して参ります。
故人は短歌に「この秋は雨か嵐かしらねども 今日のつとめの田草とるなり」と詠んでおります、私はいつの頃か、座右の銘としてこの歌を肝に命じ、お客様から賜った仕事を喜びと感謝で、お客様が心から満足して頂くよう、その時、その時に全力でぶつかり完遂すべく努力しております、これが私の信条であり、我が社の気質でもあります。
当社のコアコンピタンスは制御弁のメンテナンスにメーカーと同等な人的付加価値を加え、お客様の立場に立たせて頂いた総合的なエンジニアリングを実践することです。もちろん、ご要望に対し適切にお応えすべく、タイムリーで高品質なサービスをより低廉な価格で提供できますよう社員一丸となって日々精進しております。
今後共、さらなるお引き立ての程、心からお願い申し上げ、ご挨拶とさせて頂きます。
社 是
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「 誠
意 」 2007.6月 |
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代 表 取 締 役
新 宮 康 史 |
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